2020年3月17日火曜日

お母さんになりたくない





「私、お母さんになりたくないって、思ってた」

当時小学2年生の娘の言葉に
夕刻、台所で洗い物をしていた私の手が止まった。


「どうしてなの??」
固まった私は、すぐさま膝をついて娘と目線を合わせた。

「だって私がお母さんになったら、スカートが履けないんだもん」


詳しく話を聞くと、どうやら結婚したくない、ということではなく
私の女性性の欠けたファッションが原因でした。


「お母さんは、いつもズボンを履いているでしょ。
だから私も大きくなったら、お母さんになったら
スカートが履けないと思って。」
うつむきながら、娘は心の内を明かしてくれた。

その時、何かが私の頭の中をぶち破った。

まさかそんな風に感じさせていたとは。。

これは私が師匠とのプレタポルテレッスンを始めた、3年前の出来事です。

出産してから、私はほぼ365日パンツスタイル。
スカートやワンピースは、すっかりクローゼットに眠らせたまま。

それが画面から飛び出るような師匠の美しさや
コンサルティングを始めた同士たちの美しさが刺激となり

私もこうなりたい!という眠っていた性(サガ)が
ジワジワと起き出した。


とはいえ、もちろん、最初はスカートやワンピースを履くと抵抗感が芽生えた。
今までとは違う世界だから。

しかし抵抗しながらも、私の頬は緩み
女性らしくある自分が懐かしかくも、嬉しかった。

ハイヒールの扉を開け、少しづつ
自分のファッションが変わり始めた頃。

私のファッションスタイルが「ハイヒール✖️スカート」での登場回数が多くなり
娘は安堵したのか
この冒頭のセリフ、娘の本音を聞かされたのだった。



そんなつもりは全くなかったのに
まさか、私が毎日ジーンズスタイルだったばかりに
娘には「お母さん=いつもズボン=スカートは履けない」という
悲しい図式を植え込ませていたとは。。


なんとも申し訳ない気持ちで、「ごめんね、そうじゃないよ。」
と、あの日アタフタと話した。


これは全員には当てはまらないとは思います。
が、母親の日常のスタイルは
幼い子供にとっては、それが全ての基準となってしまう。



あれから3年、今でも女性性に関しては
試行錯誤の最中ですが

あのポツリと、「お母さんになりたくない」と
神妙に呟いた娘のセルフを聞くことはなく
今では「母さん、今日はスカート、いいね。」と
ニッコリと笑顔を見せてくれる。

私の生き方、スタイルが
子供には物言わぬ鏡として、写っているのだと
今でも、このエピソードは私の戒めにもなっている。




感謝を込めて。  Les Caprices・凜




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